アメリカの製薬会社ノババックスが新たに開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、インドネシア政府が世界で初めて緊急使用を許可しました。
ノババックスのワクチンは、日本政府も供給を受ける契約を交わしています。
インドネシア保健省は2日、NHKの取材に対し、アメリカの製薬会社ノババックスが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、規制当局が緊急使用を許可したことを明らかにしました。
ノババックスは1日、声明を出し当局による許可が出るのは「世界で初めて」としたうえで「インドネシアは世界で4番目に人口が多いにもかかわらず、ワクチンの調達が十分にできていない」と指摘し、需要の大きさを強調しています。
ノババックスのワクチンは「組み換えたんぱく質ワクチン」と呼ばれ、遺伝子組み換え技術を使って人工的にウイルスのたんぱく質の一部を作り、投与することで、体の中でウイルスを攻撃する抗体が作られます。
ノババックスによりますと、アメリカとメキシコで行った臨床試験の結果、ワクチンを接種した人の中で重症化した人は見られなかったということです。
インドネシアは、人口の7割以上に当たる2億人余りを対象に接種を進めていますが、接種を完了した人の割合はおよそ36%にとどまり、ノババックスのワクチンによって接種のペースが加速することが期待されています。
ノババックスのワクチンをめぐっては日本政府も1億5000万回分の供給を受ける契約を交わしています。